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Expert Talks | 新しいオフィス体験

次世代オフィス体験が人材争奪戦にどう貢献できるのか



想像してみてください。

 

オフィスタワーの屋上に設置されたソーラーパネルから電力を得ている地下駐車場の充電台に、あなたの電気自動車を駐車し、オフィスに向かいます。子犬を犬専用の保育所に預けた後、ロビーのカフェで、アボカドトーストと蜂蜜入り紅茶(いずれも屋上の都市農園で採れたもの)をテイクアウトしていると、同じフロアの別の会社で働く人にばったり出会いました。後日、コワーキングスペースで待ち合わせて、お互いの会社のコラボレーションの可能性について話し合うことを約束しました。
 
オフィスへ向かうエレベーターの中で、ビル専用のアプリを使って敷地内にあるヘルスセンターにランチタイムの予約を入れ、帰宅の際に隣のデリカテッセンで夕食をテイクアウトする予約もしました。アプリを起動している間、保育所のウェブカメラで愛犬の様子を盗み見ると、そのすっかりくつろいだ様子に思わず笑みがこぼれました。
 
AIが制御するセンサーが自動的に温度と照明を調節してくれる、予約しておいたスペースで、最初のミーティングの準備をします。しかし同僚と一緒に予定を変更し、外のガーデンテラスで会議をすることにして、ウォーキングコースを何周か歩くことも考えます。せっかくの晴れの日を無駄にしないために。
 
あなたの一日はこんな感じではないかもしれませんが、こうなる日がもうすぐ来るかもしれません。オーストラリアとアジアではプレミアムオフィススペースの需要が高まり、企業は生産性とイノベーションを向上させ、人材争奪戦において強力な武器となる新しいタイプのオフィス体験を実現しようと躍起になっています。それはフレキシブルで便利、そしてソーシャルで3つのC(カルチャー、コミュニティ、コラボレーション)を中心に構築されたワークプレイスなのです。

   

文化を育む

 

望ましいワークプレイス環境を創造するための最も重要な要素は、確固たる企業文化であり、目的によって推進され、行動や考え方、 実践を通して表現され、従業員がその組織に属していることに誇りを持つようになることです。 「適切な場所とスペースは、ポジティブなカルチャーを増幅させることができるのです。」 と、オーストラリアのオフィスリーシングのマネージングディレクターであるSimon Hunt氏は言います。

 


「企業文化や目的を反映した適切な機能とデザインは、その企業文化を高め、従業員にその企業に所属していることを誇りに思わせることができます。」

Simon Hunt | オフィスリーシング部門マネージングディレクター | オーストラリア 


 

Amit Oberoi(アジア・オキュパイアーサービス戦略部門責任者) は、例えば、平等主義的なオープンプランスペースなどを通じて、文化とインテリアデザインを結びつける企業が増えていることに同意しています。 「デザインレイアウト、カラー、照明、素材、テクスチャーを、エンパワーメント、イノベーション、コラボレーション、透明性、サステナビリティなどの組織のバリューに合わせることがより重要視されています。」 と、彼は述べています。例えば、開放的なオフィスは平等主義を表し、自然光を多く取り入れるガラス張りの壁は透明性を表します。竹のフローリングなど環境に配慮した持続可能な素材を使用すれば、B-Corp認証を取得した企業であることを示すことができます。また、地元のアーティストの作品を展示することで、地域社会への貢献をアピールすることもできます。

 

オーストラリアでは、オフィスがある土地の伝統的な所有者を認識することも重要視されています。HASSELL (世界的な建築ファーム) の商業・オフィス部門リーダーであるDomino Rischは、シドニーのサーキュラーキーの象徴であるクオータータワーの再開発において、地元のガディガル族の芸術、言語、文化を守ろうとしているAMP(オーストラリアの資産運用会社)を支援しました。「地元のアーティストにアートを依頼したり、先住民文化に重要とされる雁木を反映した、円形のデザインをミーティングルームに取り入れ、そのミーティングルームの名称に彼らの言語を使用したりしました。これらはすべて、地元の人々と相談しながら、AMPの目的を念頭に置いて行われたもので、チームが地元組織やサーキュラーキーという場所とのつながりを強化するためのものでした。」 とDominoは話しています。

 

 

   

コミュニティの構築

 

最高のオフィス体験はコミュニティとコネクティビティの感覚を生み出しますが、それは組織内に限ったものではありません。私たちは、多様な組織が共に働く機会を提供し、それ自体が目的地のように感じられるような、統合されたコミュニティとして建設されたプレミアムオフィス地区をより多く見てきました。このような場所には、小売店、エンターテイメント施設、共有の中庭、コミュニティイベントなどがあり、異なるオフィスで働く人々を結びつけています。「高級なカフェ、バー、レストラン、クライアントや隣人とのミーティングに使えるビジネスラウンジなど、高級ホテルのようなスタイルの共有スペースが求められています。」 とSimonは語ります。

 

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社内に健康増進のためのオプションや質の高い保育施設(または犬の保育所)があることで、人々の精神的負担が軽減され、健康で生産性の高い生活をサポートすることができます。また人々は、自分たちがつながりを感じる包摂的なコミュニティに所属し、そこで時間を過ごすことに誇りを感じるようになるのです。

 

「すべてのニーズが同じ場所で統合的に満たされていると感じられるようにすることです。」

Domino Risch | コマーシャル&ワークプレイス部門リーダー | HASSELL 


 

   

コラボレーションの

促進

 

 

このようなコミュニティ意識は、従業員たちが職場で最も重要視するコラボレーションとコネクティビティを促進することができます。最良のコラボレーションは自分の組織の外の人と繋がることによって生まれるという認識が広まり、異なる視点を持つ人が集まることによって、最も革新的なアイディアが生みだされる可能性があります。

 

新しいオフィス体験は、同じビル内や地区内の企業間の交流を促進するように作られています。私たちが見る最も大きなトレンドの1つは、コワーキングスペースの需要の増加で、新しいビルでは全ビジネスエリアの10%を占めることもあります。これはDomino氏が言うところの「柔軟な」ワークスペースへの要望の反映であり、ハイブリッドな世界で変動する従業員数に対応することを可能にするものです。しかし、それは他者、特に隣接する産業やブランド価値を共有する企業との協働の価値を認識した結果でもあります。より複雑な問題を解決する企業のエコシステムへと向かう労働の世界では、この傾向はさらに強まり、企業が事業拠点をどこにするかを検討する際の大きな要因となることが予想されます。新しいオフィスには、私たちがコラボレーションできるような隣人がいるでしょうか。

 

   

従業員と世界を

守るために

 

どんなにデザイン性の高い、革新的なオフィススペースでも、仕事の効率を左右する基本的な部分をおろそかにすることはできません。COVID-19によって変化した世界ではウェルビーイングはさらに重要視されるようになっています。自然光、温度管理、空気の質は非常に重要です。 例えば、コリアーズのムンバイの新オフィスでは、新鮮な空気を最大限に利用するAI制御の暖房、換気、空調(HVAC)システム、CO2センサー、空気品質のモニタリング、そして自然の空気清浄機として機能するバイオフィリックグリーンを導入しています。
 
地球環境を考慮したオフィスも重要です。サステナビリティの証明が当たり前になってからしばらく経ちますが、現在、環境、社会、ガバナンス(ESG)の取り組みは新たなレベルのイノベーションに移行しており、ビジネスの目的を達成しながら、そのスペースを最大限に生かす試みがなされています。例えば、駐車場は自律走行車のハブになり、屋上にはコミュニティファームやミツバチの巣箱が設置され、地下室にはシャワーや自転車ラック以上の機能を持つエンドオブトリップ施設が設置されるなど、商業スペースは新しいニーズに応じて再利用されるようになっています。メルボルンの101 Collinsには、数百万ドルを投じたリゾートスタイルのウェルネス施設があり、500台の自転車ステーションとロッカーに加え、水分補給ステーション、ヘアアイロンや手作り石鹸を備えた個別のグルーミングエリアが設置されています。サステイナブルな通勤は、かつてないほど心地よいものになってきているのです。
  
実際このような設備は、従業員、特にY世代とZ世代の、従業員の環境に配慮したライフスタイルの選択を反映しており、就職希望者の多くから、面接でこのような設備環境について質問を受けています。

 


「ESGは、変化する働き手の期待に応えるための、オフィス設計の強力な推進力となることが期待されます。」

Amit Oberoi | オキュパイアーサービス戦略部門 | アジア 


 

   

最適なオフィスを実現するための基本原則

 

2022年、ビジネスの目標は変わることはありませんが、オフィスに戻った人々の働き方は変わってきています。企業は、利便性と柔軟性を高め、生産性を向上させ、サステナビリティとウェルネスの目標を達成するために、オフィスを再利用することで新しいニーズと期待に応えています。
 
オフィスはどのように進化し続けるのでしょうか。パンデミックは、未来を予測することが難しいことを教えてくれましたが、いくつかの基本原則を心に留めておくことは、従業員と組織の両方のニーズを満たすオフィスをデザインするのに役立つというのが、私たち専門家の意見です。 

 
 
 Listenandbetransparent 耳を傾け、透明性を保つこと: オフィスデザインが従業員のニーズに合っていることを確認するために、従業員と定期的にコミュニケーションをとり、変更内容とその理由を明確にする。
   
 Beauthentic 本質的であること: デザインは自社の価値観やブランドと完全に一致したものでなければなりません。美しさだけでなく、目的を反映した行動(例:包摂性)を促進することを考慮しましょう。
   
 Focusonconnectivity  コネクティビティの重視: パフォーマンス、生産性、そしてポジティブな文化を可能にするような方法で、人々が集うスペースを創造する。

 

コリアーズでは、オフィスデザインの創造において、1つのサイズがすべてにフィットするわけではないことを理解しています。そのため、お客様のニーズを深く理解することから始め、さまざまな不動産やオフィス市場、デザイン、トレンドなどの専門知識を組み合わせて、ビジネス目標を加速させるオフィスソリューションを構築しています。最適なオフィス環境を構築するためのご相談は、 松川智成 までご連絡ください。




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松川 智成

デピュティマネージングディレクター

Managing Director's Office

東京本社オフィス

日本のオキュパイヤーサービス事業の拡大を統括、推進。

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